為替相場は刻一刻と動いていますよね。この動きはどのような通貨ペアであっても上がるか下がるかのどちらかです。この単純さが勝負事としての面白みを引き立てているのかもしれません。
例えば、競馬といったギャンブルをイメージしてみると違いは明確でしょう。競馬の場合であれば、どの馬が早く走り切るかを予想することになりますが、その組み合わせは相当な数になります。
その中から当たりの組み合わせを見事的中すれば配当が貰える仕組みになっています。組み合わせの数と当たりの数を比べると圧倒的にハズレの組み合わせが多い結果になります。
でも、為替相場は上か下かの2択です。こう考えると、勝率って50%あるように思えますよね!?もしそうであるなら、誰だって簡単に勝ち続けることが出来そうな気になりませんか!?
このように50%の勝率のゲームというのであれば、どうして9割もの人が負けてしまう現実があるのでしょうか?ここをしっかりとイメージできてくると、為替相場での立ち振る舞いに違いが出てくると思います。
まず、凄く短期的な動きとしては上か下かのどちらかしかありません。なので、例えば貴方が買いから参入したのであれば、スプレッドを無視すれば、上に行って利益が発生する確率は50%あるというのは確かでしょう。
でも、この一瞬の動きで即座に決済をして利益を確定する人ってまずいないはずです。せっかく上にいったのだからもう少し利を伸ばして大きく利益を伸ばしたいですよね!
為替相場は世界中の人が参入している巨大な市場です。特にドル・ユーロ・円などのメジャーな通貨の組み合わせとなってくると想像を絶する金額で取引が繰り返されています。
しかも、参加しているのは私たちのような個人投資家だけでなく、ファンドなどの大きなマネーを動かしている金融機関まで様々です。投資目的での参入もあれば、企業間の取引の決済というケースもあるわけです。
なので、為替相場は常に売り買いが交錯するため上下動を繰り返していくという動きとなります。長期的には上昇トレンドであっても短い時間軸で見れば上げ下げを繰り返しているということになるんです。
なので、ひとたび貴方が買いのポジションを取ったとしても、その後は上げと下げの繰り返しが起きていくことになりますよね。
さて、先ほど貴方が形成した買いのポジションですが、たとえ買った直後に上がって利益が発生したとしてもその次の動きでどのような動きになるかはわかりません。一時的に利益が出たとしても、その後下落が発生してしまえば損益がマイナスに転落していくこともあるでしょう。
さらに、その後の展開もかなり様々なパターンが想定されますよね。下落が止まらなくなって一度も買った値段に戻ることなくずっと下落していってしまい、含み損が大きくなってしまう展開もあるでしょうし、その逆である程度下がったところで反転して、再び利益になっていくという展開もあるわけです。
こう考えてみると、買ったポジションを利益で終わらせるのかそれとも損失で終わらせるかはどのタイミングで決済をするかで異なってくることが分かると思います。
このように、一度作った買いポジションはその後の展開で結果が変わっていくことになるのですが、人間心理という観点で見てみるといかに決済が難しいかが見えてくると思います。
まず、買った直後に上に行ったのであればかなり気持ちよくチャートの展開を見ていられるでしょう。含み益が発生している喜びを嚙みしめながら、もっと上がるのを期待しちゃいますよね!?なので、もっともっとという気持ちが強くなって見守りたい心境になりやすいです。
ただ、相場は上下の動きがありますので、一時的に下がることもあるんです。そうなると、「本当に上がるのかな?」という不安になって、下がった時点で薄利もしくは損益トントンもしくはチョイ負けでの決済になりやすいです。
これは、一番利が乗った時点で決済していればよかったのに結局イマイチの場所で決済をしてしまい、ほとんど利益が出せないといった典型例です。
逆に、買った直後に下がり続けてずっと含み損だとします。これって凹みますよね。なにしろ一度も利益になる瞬間を見てないわけですから。。
そうなると、多くの人は少し様子を見てみようという気持ちになりやすいでしょう。もし、反転せずにドンドンと下がり続けるようでしたら忍耐の限界に達した時点で泣く泣く損切となりやすいです。
結果、想定外の大きな負けを食らう結果となります。
このように、トレードで陥りやすいのは利益は伸ばしたい一心で決済をためらってしまい下がったところで慌ててしてしまう結果、思ったよりも少ない結果になりやすい一方で、損失は限界まで我慢をした結果、大きくなりやすいということが言えます。
これは、そもそも勝率を50%よりも大幅に少なくする結果になりやすいだけでなく、利益は少額で損失は膨大というパターンにもつながってしまいます。
これでは、トレードをするたびに資金が減っていくことになりますので注意が必要です。
ではどうすればよいのか?ですが、決済のタイミングをある程度明確にして機械的に行っていくということが挙げられるでしょう。いかにして、利の乗った時点で決済したり、損失の幅を抑えたポイントで損切りできるかを意識してみると結果が違ってくるはずです。