日常的には発生しないのですが、あまりにも度を超えたトレンドが継続してしまうと、時には政府主導の為替介入が実施されることがあります。日本でもこれまでに何度か実施された経緯もあるんですね。
私の記憶に残っているのは、リーマンショックを契機とした極端な円高によって1ドル100円割れでも止まらずにズルズルと90円→80円と進行している状況下での日本政府主導の円売り介入です。
巷では為替介入の可能性の噂があったのですが、いかんせん本当にあるのかも分からないですし、しかもいつ実施するのかだって単なる憶測にしかないわけで、こればっかりは神のみぞ知るということになるでしょう。
もちろん、市場でも為替介入への警戒はひしひしと感じ取ることが出来ました。様子を見ながらじりじりと円高が進行していくというのがチャートを見続けての率直な感想です。
ちなみに、為替介入といっても最初は口先介入から入ることもあります。「介入するかもよ!」というメッセージを発信することでペースダウンや反転を意識させるのが目的と思われます。
でも、なかなか口先介入だけでは強烈なトレンドを食い止めるのって難しいのが現実なのでしょう。本当に許容範囲を過ぎると実際に為替介入が行われるんですが、これは突発的な意表を突くタイミングの方が効果があるようです。
実際に私もチャートを見ている最中に円売り介入が発動したことがあるのですが、初動の動きは破壊力を伴ったものでした。何が起きたのか分からない状況でしたが、速報で為替介入のことを知って納得した記憶があります。
この時は、日本時間の午前10時頃だったのですが、急な円安の動きで対応をどうすればよいか迷ってしまったのですが、少し上がったからといってショート参入するのは結果的には早すぎたんです。
アジア時間だけでなく、欧州時間やNY時間もしっかりと買いが入って市場が一巡するまで上昇を継続することとなりました。なので、少なくとも全市場の反応が終わる1日程度は逆らわないのが無難だったといえるわけです。
では、市場が一巡した後で相場の方向性を反転させることが出来たのかというと、この時は買いが収まった後は再び円高トレンドに逆戻りをしてしまいました。本当に一時的に食い止めたに過ぎなかったんです。
私自身も当時はどちらのポジションを形成するべきなのかかなり悩んだのですが、今考えると市場参加者の思考回路を理解できるような気もします。個人的には翻弄され続けただけの残念な記憶が鮮明です。
もちろん、同じことが全てのケースに当てはまるわけではないのでしょうが、一度経験をすると少しは冷静な対応をするようになれるのかなと思っています。